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マルセル・ブロイヤー展に行って来ました

バウハウスの影響が比較的少ないと言われる北欧(フィンランド)デザイン。 しかし、アラビア社に於いては、アート部門を設立したクルト・エクホルムのAHモデルにも見られる通り、バウハウスの機能主義をデザインに取り入れようとした動きはあり、氏に感化され影響を受けていたカイフランクのキルタシリーズを見ても、そのことは明らかと言われています。 だからこそ、やはり観ておきたいのです。バウハウス関連の展示は。

さて、そのバウハウスの代表的な建築家である「マルセル・ブロイヤー」の初期の家具作品を集めた展覧会が、東京国立近代美術館(MOMAT)で5月7日(日)まで開催されています。

特に印象的なのは、彼の代表作でもある「ワシリーチェアー」。 この椅子は、スチール・布・革といった全く異なる素材が使用されています。 しかも、座面が奥に向かって傾斜しており、一見、座ったら斜めに沈み込んでしまうのでは?と、思わされる様子です。 しかし実際に座ってみると、その座面の傾斜の角度とひじ掛けのバランスや、異なる素材同士が、絶妙なリラックス感を生み出し、実に心地良く座ることができるのです。 「アンバランスによる安定」とでも言うのでしょうか。
(*展示会場入り口には実際に座れるうえに当時の資料にあるマスクをつけて写真撮影ができる場所もあります。)

 

北欧モダニズムについて

また、フィンランドのデザイナー「アルヴァ・アアルト」がデザインしたティートローリーとほぼ同じ年代に、マルセル・ブロイヤーがデザインした「ティートローリー」が、展示されていました。
自分の中では、ティートローリーのアイコンと言えばアアルトだと思っており、ブロイヤーの作品のことは未知だったため、非常に興味深く感じました。 彼がデザインしたティートローリーは、主にスチールが使用されており、アアルトの木材のそれとは素材そのものが異なるのですが、醸し出す雰囲気はとても似ているのです。
バウハウスといえば機能主義として理解していたつもりでしたが、その影響を鵜呑みにせず、咀嚼し、自らの栄養として取り入れてきた北欧モダニズム。
その代表の一人であるアアルトの作品を通じてバウハウスを改めて見ると、新たな認識を持つことができた気がします。それは、まさに人間の本能に根差したものを生み出すことこそがモダンデザインである、というブロイヤーのデザイン哲学そのものと同義と言えるのではないでしょうか。

MOMATは、常設の展示も非常に魅力があります。 そして何より、各階にある休憩場所が素晴らしい。 しばし都会の喧騒から離れ、時が経つことも忘れ、ぼんやりと過ごすには最高の場所のひとつだと思います。おススメですよ!

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